2019年07月27日

鶴岡の食あれこれ 〜 夏のお味噌汁二品

1.jpg

東北の日本海に面した庄内地方の夏の味覚と言えば岩ガキをはじめ、この地ならではの海産物のみならず、多くの農産物や天然の山野草など、どれ一つを取ってもこの地には欠かせない個性あふれる食を形成していますが、、
今日は私の好きな夏のお味噌汁を二品、ご紹介したいと思います。


3.jpg

まずは黒っぽくてお椀からはみ出すほど大きな二枚貝のお味噌汁。
この貝、名前を「イガイ」と言います。
貝ですからイガイをイ貝と書いても間違いないんだと思いますけども、イ貝は似た形状のムール貝やムラサキ貝とも違う日本海ならではの固有種なんですね。
お味はと言いますと、とても風味豊かな磯の香りとお出汁が沁み出してこれまたとても美味しい。
太平洋側で獲れるムール貝なんか、例えばこれと似た形状の小さな貝もありますけど、小さいから沢山入れちゃえーとお味噌汁にしても決して同じだけ満足出来る味にはならないんですよね。
大きなものでは大人の手のひらよりも大きく育つものもあって、食べ応えも最高なんですよ。

このイ貝、鶴岡の飲食店では「笑貝」と書いてメニューにお出ししているところが多いんです。
私も当館では笑貝としてお出ししています。まぁ固定メニューではないのでそんな気持ちでお出ししているってだけなんですけどね、笑
じゃあなぜ笑貝なのかと言うと、こうなのです。

イガイ(イ貝) → 呼びやすく地元のなまりも混じって → イゲェ → イゲ → エゲ → 漢字を当てはめて → 笑貝(えげ)

ぜひ鶴岡にお越しの際は、地元料理を堪能できるお店で「笑貝」を探してみて下さいね。


4.jpg

そしてもう一品は、これも夏の庄内浜で採れた新鮮な「生もずく」を使ったお味噌汁です。
一般にもずくと言えば「もずく酢」なんかで頂く茶色のプリプリした食感の海藻ですよね。
産地もだいたいは沖縄産でしょうか、一度塩で漬け込んだものを戻して利用されるもずくですよね。
日本の都市部にお住まいになっている皆さん的には、だいたいそんな印象しかないと思います。
でもこれが庄内浜という本場で採れて料理になると、、
とにかく緑色が鮮やかで、どこまでもヌルヌルしてて、その上歯切れがよいシャキシャキした食感が最高に美味しいです。

当館ではこの地元産「生もずく」の利用法としてお味噌汁に使ってお出しもしています。
もちろん利用方法は沢山あって、もずく酢にしても当然美味しいですし、ただ単に生姜醤油でお浸しにして頂いてもまったく問題ありません。
今回私がこの生もずくのお味噌汁をご紹介する唯一他の料理と明確に違いを感じる部分は何かと言うと、やはりお味噌汁にした時に感じる風味豊かな磯の香りでしょうか。

今回ご紹介した「笑貝のお味噌汁」と「生もずくを使ったお味噌汁」、ぜひ本場鶴岡でご賞味頂ければ嬉しく思います。



そして、これは余談なのですが、、

5.jpg

庄内浜で採れる海藻には「えげし」なる海藻があります。
これまたお味噌汁に放すと今にも溶けてしまいそうなほど柔らかな食感と独特な磯の風味が美味しい海藻なんですけども、、
この「えげし」の名前の由来についても私なりに気づく事があるんです。
先ほど、お味噌汁のご紹介で取り上げた「笑貝(えげ)」、えげと、えげし。似ていますよね?
これ、私が思うに「えげし」とは「えげ糸」、笑貝の糸という意味じゃないかと思っています。
なぜかと言うと、、あるんです!笑貝の糸!笑

2.jpg

お気づき頂けますか?
地元で笑貝と呼ぶイ貝には、大きくなると毛が生えてくるんです。
お味噌汁なんかにして食べる際にはこの毛の部分を指先でつまんで身の部分をパクっと食べるんですけど、「えげし」なる海藻はこのイ貝の毛(糸)に似ている事からそう呼ばれる様になったんじゃないかなと。
さぁ、真偽のほどはどうなんでしょうか.....
気になる方はぜひ現地で調べてみて下さいね。
そして、ぜひ私まで調査結果をお知らせ下さい(*>ω<)
posted by 石狩屋旅館NEWS at 14:20| 鶴岡の食あれこれ


Loading...